新潟県妙高市(にいがたけんみょうこうし)

「火打山のライチョウを守りたい!!」絶滅危惧種「ライチョウ」の生息地保全活動

寄付金額357,000

目標金額1,500,000

達成率23.7%

  • 達成率

    23.7%
  • 支援人数

    29
  • 終了まで

    50日/92

寄付募集期間

2025年10月01日2025年12月31日92日間)

概要

新潟県妙高市 × YAMAP

新潟県妙高市の火打山にはライチョウが棲んでいます。
火打山は日本のライチョウ生息地の最北で、約25羽という国内で最も小さい群れが生活しています。
今、地球温暖化などの影響によって火打山ではライチョウ生息地の環境が変化しており、このままではライチョウがいなくなってしまうかもしれません。

そこで、妙高市では希少なライチョウを守るための活動費用をGCF(ガバメントクラウドファンディング)で募ります。
皆さまの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

「火打山のライチョウを守りたい!!」絶滅危惧種「ライチョウ」の生息地保全活動

火打山のライチョウとは?

日本百名山の一つで新潟県妙高市にある「火打山」にはライチョウが棲んでいます。
ライチョウは、国指定の特別天然記念物で絶滅危惧種であり、国内に約1,700羽が生息しています。そのうちの約25羽程度の小さい群れが「火打山のライチョウ」です。

ライチョウは高山帯のみに生息しており、本州中部に5つの群れが隔離分布しています。
人をあまり恐れず、たまに登山道近くに現れることから、火打山の登山者は予期せぬライチョウとの出会いが思い出となります。

火打山は、日本のライチョウの生息地の一番北になりますが、標高は比較的に低く、日本海側に面しており冬は世界有数の豪雪地域です。
そんな火打山にライチョウの小さな群れが氷河期から暮らしています。

雪原を走るライチョウ
雪原を走るライチョウ
ライチョウの親子
ライチョウの親子

地球温暖化による火打山の環境変化

そんな火打山で今、自然環境の変化が起こっています。
地球温暖化等の影響により背の高い植物が増え、ライチョウのエサとなる背の低い植物が減っています。
そのため、以前はライチョウがよく見かけられた火打山の「ライチョウ平」と呼ばれる場所では、その姿がほとんど見られなくなってしまいました。

また、シカやキツネなどの動物がライチョウの住む高山帯で多く確認されています。
草食の動物が多くなるとライチョウのエサとなる草木を食べつくす食害が起こるかもしれません。また、肉食の動物が多くなるとライチョウの捕食が心配されます。

ライチョウにとって約25羽という群れの規模はとても小さく、その数の少なさから少しの環境変化が絶滅に直結してしまいます。
その原因が地球温暖化など人の営みによるものである場合、取り返しがつかなくなる前に人が対策をしなくてはいけないと考えています。

ライチョウのエサの一つ「コケモモ」
ライチョウのエサの一つ「コケモモ」

火打山におけるライチョウ保護の取組

火打山ではライチョウの生息環境を保護するため、数々の取組を実施しています。

・ライチョウの生息数や生息場所の確認
・ライチョウのエサとなる植物の植生を回復させる活動
・高山帯における哺乳類の侵入状況の調査
・ライチョウの捕食状況を確認するための哺乳類の糞の調査など

GCFの目的

ライチョウのエサとなる植物の植生を回復させる取組

ご支援をお願いしたい事業をご説明いたします。
ライチョウの生活に直接的に関係する活動として、ライチョウのエサとなる植物の植生を回復させる活動があります。

標高約2,200mの高山帯でライチョウのエサとなる背の低い植物の植生を増やすため、地球温高化等の影響により増殖している背の高いイネ科植物を刈り取る作業です。
ボランティア、環境省、妙高市が協力し、山小屋に泊まって2泊3日の行程で作業を行います。
この活動は、高山帯の希少な植生の中で行うため、様々なモニタリングに基づき慎重に実施しています。
作業区域を明確に区切り、作業前後の植生を記録し効果を検証します。

また、センサーカメラによりライチョウの出没状況の変化や他の動物の侵入状況の確認を繰り返します。
数万枚にのぼる画像の解析など、さまざまな調査までを含めると、作業期間より多くの時間と労力、費用がかかることから、このモニタリング費用へのご支援をいただきたいものです。

私たちは、この事業を継続、発展させていくことが火打山のライチョウを守ることにつながると考えています。皆さまのご寄付をよろしくお願いします。

※ライチョウの保護活動等に関するボランティア募集については、下記のサイトをご覧ください。

https://www.myokokankyokaigi.jp
ライチョウ平での刈り取り作業の様子(令和7年8月)
ライチョウ平での刈り取り作業の様子(令和7年8月)
一列になって刈り取り作業を行う様子(令和7年8月)
一列になって刈り取り作業を行う様子(令和7年8月)

事業成果

寄付金を活用して実施した「ライチョウ生息地回復事業」のご報告です。
令和7年8月20日から22日に、ライチョウの重要な採食地である「ライチョウ平」の事業区で背の高いイネ科植物の刈り取り作業を実施しました。
作業範囲は2,400㎡(40m×60m)にもわたりますが、3日間で延べ89名のかたにご参加をいただき、約200キロのイネ科植物を刈り取ることができました。
この作業は今年度で6回目となりますが、1回目の作業を実施した令和2年度と比較して、目視でもイネ科植物が減少していることが分かるようになりました。
今年度の作業の成果は今後取りまとめていくことになりますが、令和6年度の火打山周辺におけるライチョウ生息地回復調査結果において、イネ科植物が減っていることとライチョウのエサとなる植物が増えてきていることが示されており、作業の継続によって少しずつ効果が表れていることが確認されています。

また、作業期間中の火打山の山頂付近では、ライチョウの親子8羽の姿を確認することができ、ライチョウ平にライチョウが戻ってくることへの期待が高まっています。

その他、この事業では以下の項目についても調査を行っています。
・センサーカメラによるライチョウや哺乳類の出現状況の調査
・ライチョウを捕食する哺乳類の糞の調査(捕食の状況の調査)

火打山山頂付近で確認されたライチョウの親子(令和7年8月)
火打山山頂付近で確認されたライチョウの親子(令和7年8月)
高山直物を食べるライチョウの雛(令和7年8月)
高山直物を食べるライチョウの雛(令和7年8月)

寄付金の使い道

皆様からいただいた寄付金は下記の費用に活用させていただきます。

〇令和8年度 火打山周辺におけるライチョウ生息地回復調査
・火打山の高山帯における事業区設置委託
・事業区内の植生確認
・事業区内の環境改善活動(背の高いイネ科植物の刈取作業)の運営
・センサーカメラによるライチョウ等の出没状況調査
・ライチョウ捕食者の糞の採取、など
・業務に係る機材や消耗品費

※寄付をお願いするこれらの費用は、分析やモニタリング等に必要な委託経費であり、草取り作業のための人件費は含まれていません。作業に係る人件費等は参加者個人及び参加団体が負担しています。

〇令和8年度 頸城山塊ライチョウ個体群生息地実態把握調査
・繁殖期、非繁殖期におけるライチョウ個体数調査
・大型哺乳類の生息実態把握調査

※目標額を下回った場合、上回った場合も、次年度以降の本調査に活用いたします。

最後に

ライチョウの生息数は一つの大切な指標で、国立公園妙高の自然環境の豊かさを表すものです。
ライチョウなどの象徴的な生き物に限らず、花や蝶、両生類など小さくても珍しい生き物もたくさん棲み続けています。
あまり多くの種を調べることはできませんが、私たちはいくつかの生き物の生息状況もモニタリングしており、生物の多様性を保った自然環境を次の世代に引き継ぐことが目標です。
ぜひ、私たちの活動にご理解とご支援をよろしくお願いします。

雪原で冬を耐え忍ぶライチョウ
雪原で冬を耐え忍ぶライチョウ
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進捗情報

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